水泳の代表的な泳ぎ方4つとそれぞれのコツをおさえよう

水泳の代表的な泳ぎ方4つとそれぞれのコツをおさえよう

泳ぎ方にはいくつかの種類があり、人によって得意なものもあれば苦手なものもあります。これは大人と子どもどちらにも当てはまることです。

泳ぎをより上達させるためには、それぞれの特徴やのコツをおさえる必要があります。 本記事では「今よりもっと上手に泳げるようになりたい!」「上達させるコツを詳しく知りたい」という方に向けて、基本の泳ぎ方の特徴とやり方を解説しつつ、それぞれのコツや注意点をまとめました。特定の泳ぎ方が苦手な方や、上手に泳ぐためのポイントにについて知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

水泳の基本姿勢

水泳はフォームが重要な競技です。速く泳ぐためには正しいフォームをおさえておかなくてはなりません。泳法にはいくつか種類がありますが、すべての泳法における基本姿勢があります。それが「ストリームライン」です。

ストリームラインが、上手に作れていると水の抵抗を受けづらくなります。もし、泳いでいる途中で沈んでしまう方や、すぐに疲れてしまうという方は基本の姿勢を一度見直しましょう。

ストリームラインを保つポイントは、以下の通りです。

  • 耳と腕をぴったり付ける
  • 体を細く伸ばすような意識でお腹をへこませる
  • 腰が浮かないようにお尻の筋肉をしっかり締める
まず、練習として壁に背を付けながら上記の姿勢を実践してみましょう。3つの動作を同時におこなうのは少々大変ですが、慣れてくれば自然と姿勢を維持できるようになるはずです。慣れてきたら、プールに浮かびながら姿勢を保つ練習に移りましょう。

泳ぎ方の種類

泳ぎ方にはいくつか種類がありますが、基本は「クロール」「平泳ぎ」「バタフライ」「背泳ぎ」の4つです。

まずは泳ぎ方ごとの特徴や基本姿勢について解説します。

クロール

水泳教室や学校の授業でも取り扱う、クロールは代表的な泳ぎ方のなかでも、最もスピードを出せます。泳ぎ方は以下のとおりです。

  1. 水面にうつぶせで浮かびストリームラインを作る
  2. 水面にうつぶせで浮かびストリームラインを作る
  3. 両足でキックをする
  4. 2と3の動きを交互に繰り返す

なお、息継ぎは2の手を回し始めたタイミングで顔を横に向け、息を吸います。回した腕が水面に戻るまでに顔を水面に戻し、息を吐きます。

クロールは左右の手の動き1セットを1ストロークと数え、その間にキックする回数(ビート)で動きを分類できます。泳ぎ方のコツと合わせて、動きやすいストロークをおさえておくといいでしょう。

平泳ぎ

平泳ぎは、クロール同様、水泳教室や学校の授業で習う基本的な泳法の一つです。泳ぐ際は以下の動作を行います。

  1. 水面にうつぶせでストリームラインを作って浮かぶ
  2. 両手を水面に付けたまま胸から前方へ伸ばすように左右同時にかく
  3. 両手を水面に付けたまま胸から前方へ伸ばすように左右同時にかく
  4. 2と3を交互に繰り返す
基本的な泳ぎ方のため、簡単にとらえる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、手足を動かすタイミングが掴めず、バラバラになりがちです。正しいフォームとタイミングを身につけるのが、上手く泳げるようになるコツといえます。

バタフライ

バタフライは、4つの泳ぎ方のなかでも最も新しい泳ぎ方です。特徴的かつダイナミックなフォームで泳ぎます。諸説ありますがオリンピック選手が考案・完成させた泳法で、高い技術が要求されます。

バタフライは、うねるような手足の動きが特徴的で、それぞれ異なる動きをします。手足の動きをそれぞれまとめたものが、以下の手順です。

【手の動き】

  1. 両手を前に伸ばして水を掴んで胸のあたりに集める
  2. 集めた水を一気に後ろに押して手を水面上に出す
  3. 両手を同時に前に伸ばして入水し、1の動きに戻る

【足の動き】

  1. 手の入水と同時に両足をそろえて同時に水を深く蹴りこむ
  2. 水を手でかくタイミングでひざを曲げ伸ばして体を前方へ進めるようにける
バタフライの手の動きは複雑で、手や腕だけでなく、腰の動きも意識します。足の動きでは、手順の1に当たる動きはドルフィンキックとも呼ばれており、バタフライの速さを決める重要な要素です。

背泳ぎ

背泳ぎはあおむけに浮かびながら泳ぎます。クロールの向きを上下逆さにして泳ぐようなイメージです。一見難しく見えますが、コツを掴めば意外と簡単に泳げる方法でもあります。泳ぐ際は以下の動きを繰り返します。

  1. あおむけで水に浮いた状態でストリームラインを作る
  2. 手を仰ぐように入水させて水を推進方向の反対側に運ぶように動かす
  3. 手が腰の横を過ぎたら後ろにつかんだ水を放つ
  4. 足は腰から下の位置で上下に動かす
クロールと似た動きをしますが体の位置が異なるため、泳ぎ方のコツや手足を動かし方も変化する点に注意しましょう。また、あおむけに浮かび続けるコツをつかむことも重要です。

クロールを上達させるコツ

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泳ぎ方を知っても、上手く泳げないことがあります。また、泳げてもスピードが思ったように出ないケースも珍しくありません。この状態を改善するには、泳法ごとに異なるコツをおさえておく必要があります。

まずはクロールのコツをおさえましょう。クロールでうまく泳げないときは、以下のコツを意識してみてください。

腕の動きを見直す

クロールは腕の使い方で速度が大きく変化します。うまく泳げない場合は、腕の動きを一度見直しましょう。

クロールでは腕だけで泳ぐのではなく、肩から腕全体を動かすことを意識します。前に伸ばした手をさらに前の方へ少し体をひねりながら大きく伸ばしましょう。腕だけでなく肩の筋肉も意識した動きを取り入れることで、推進力を向上できます。

足は付け根から動かす

腕の動きに問題がない場合、足が上手く使えていないのかもしれません。クロールの場合、うちわを仰ぐように足を動かします。また、足先だけでは十分な推進力を得られないため、足の付け根から動かしましょう。

キックが上手くいかない場合、膝や足首に必要以上に力がかかっている恐れがあります。力まずにキックをすることがポイントです。

水中で息を止めない

クロールを上達させるうえで意識したいのが息継ぎの仕方です。大切なのは水中で息を止めないこと。息を止めてしまうと、顔を上げたときに上手く息を吸えず苦しく感じることがあります。

水中で息を吐くことで、顔を水から出したときに空気を多く吸い込むことができます。息を吐く際は、最初のうちは鼻からでも口からでも構いません。自分に合ったやり方を見つけましょう。 

自分に合うやり方で練習を重ねれば、息継ぎがしやすくなるので、より快適に泳げるようになります。

平泳ぎを上達させるコツ

平泳ぎは手足の動きやそのタイミングで泳ぐ速度などが大きく変化します。上達には、正しい動きとタイミングをつかむことが大切です。以下のポイントを意識しながら練習しましょう。

「あおり足」に注意する

平泳ぎの際の足は、「引き付け」「蹴り」のふたつの動きに分類できます。

このうち、足を引き付ける際に重要なのが、足首です。足首が反らずに伸びてしまう「あおり足」の状態になると、上手く泳げません。

あおり足にならないように両足を引き付けるときは、膝は軽く曲げる程度にとどめ、かかとをお尻に近づけましょう。その後、指先を外側に向けながら膝を伸ばす要領で水を蹴ります。

平泳ぎのキックは、足の動きと緩急を意識しましょう。具体的には、足を引き付ける時は力を抜いてゆったりと動き、蹴る時は力を入れて水を思いっきり蹴りだすようにしっかり伸ばします。

足の動きに注意するだけでも、泳げる距離が大きく変化するはずです。手の動きに問題がない場合は、足の動きに注目しましょう。

水をかき分けるイメージで手を動かす

足の動きに問題がない場合、手の動きやタイミングが合っていない可能性が考えられます。まずは正しい腕の動きができているかをチェックしましょう。平泳ぎにおける腕や手の動きをまとめたものが、以下の4ステップです。

  1. 両手は肘を伸ばした状態で肩幅程度に広げ親指は斜め下・小指は斜め上に向ける
  2. 手の形はそのまま脇を締めつつ両腕を胸の前に持ってくる
  3. 同時に顔を上げて息継ぎする
  4. 両手を前に伸ばしつつ顔を水につける
まずは水に浸かっていない状態で4つのステップを実践してみましょう。動きを掴んだら水の中で手だけ動かして練習します。慣れてきたら、足の動きを加え、きちんと泳げているかをチェックしてください。

なお、平泳ぎは手足の動きを交互におこなうことで進んでいく泳ぎ方です。手足が同じタイミングで動いていると、かえって進まなくなります。手足の動きに問題がない場合は、動かすタイミングに着目しましょう。

息継ぎの時のフォームを意識する

息継ぎをする際のフォームを意識しましょう。息継ぎの際、上体を無理に起こしすぎたり、時間がかかりすぎたりすることが原因で、体が沈んでしまうことがあります。また、手のかきが足りなかったり、手の位置が低すぎたりすることも影響しています。

平泳ぎで息継ぎをする際は、手の動きを、自然に上半身を持ち上がるタイミングに合わせましょう。上体を無理に持ち上げようとすると、腰が沈んでしまうので気をつけてください。水をかいた後には、脇を締めて両手を胸前に持ってくると、体の勢いで顔が上がります。

水面から顔をあまり高く出すと、水の抵抗が増えます。顔を上げるときは、最初のうちは水面ギリギリに口が出るように意識すると良いでしょう。水中でしっかり息を吐いておくことも意識します。

呼吸のタイミングで悩む方もいるかもしれませんが、ストローク毎に息継ぎをするのが一般的です。

バタフライを上達させるコツ

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バタフライは4つの泳ぎ方のなかでも難易度が高く、コツをつかむのが難しいと感じている方もいらっしゃるでしょう。上達には、体のうねりや呼吸のタイミングをつかむ必要があります。

リズムよくかつ体のうねりを意識する

バタフライで早く、長く泳ぐには、手足のタイミングを合わせてリズムよく動く必要があります。力任せに動くとかえって進まず、体が沈んでしまうため注意しましょう。うまく動けない場合は、泳ぎ方のところで解説した動きを見直してみてください。

バタフライの動きは体のうねりを利用します。手や腕だけでなく、腰のうねりも意識するのがポイントです。

ドルフィンキックは膝の力を抜いて柔らかくおこなう

バタフライの特徴的な動きのひとつであるドルフィンキックも、腰の動きを意識しながら行います。腰を中心に動かしつつ、膝から下は力を抜くのが上達のポイントです。クロールの足の動きと同じように、足をしならせながら動かしましょう。

キックを意識すると膝を大きく曲げてしまいがちですが、水の抵抗が強まるため距離も速さも低下してしまいます。バタフライで足を動かすときは、後ろに推進力を向けるイメージを持ちましょう。

呼吸のタイミングを覚える

バタフライは呼吸のタイミングも速さに影響します。バタフライの手の動きをしている最中、沈んでしまうことがありますが、これは手が前にある状態で顔を上げてしまったときに起こる現象です。

バタフライでの息継ぎは、水を後ろにかいたタイミングで行いましょう。両手足の動きによる推進力を使って顔を水面に出すようにします。顔を上げるとフォームを保つのが難しくなるため、素早く息継ぎするのもポイントです。

背泳ぎを上達させるコツ

背泳ぎは他の泳ぎ方ができる人でも、徐々に沈んでしまうことがあります。これは、浮かぶための姿勢を維持できていないのが原因です。上達するには、あおむけでも沈まない姿勢を維持できるようになる必要があります。以下のコツをつかんでおきましょう。

重心と頭の位置を意識する

背泳ぎをする際、へそやその周辺に重心を持ってくるとかかとの重さで体が沈んでしまいます。重心はみぞおちに来るよう意識しましょう。また、頭の位置が高くなると自然と腰が曲がってしまい、下半身が下がってしまいます。視線を天井に向けて、頭が水面から出ないようにするのも重要です。

これらふたつのポイントを意識するだけでも、沈みにくくなります。背泳ぎだと沈んでしまって泳げない場合は、体が沈まないような体勢を意識しましょう。

腕を回すときも水平姿勢を意識する

姿勢や足に問題がない場合、腕の動きが原因で沈んでしまっている可能性が考えられます。とはいえ、コツは他のポイントと変わりません。常に背中が水面に対して水平な姿勢になるよう動きます。

進みが遅い場合、水をきちんと押し出せていないのが原因です。腕を伸ばして水を掴んだら、肘を曲げて水を後ろに運び、そのまま伸ばして水を押し出します。

まとめ

泳ぎを上達させるためにはそれぞれの特徴やポイントを押さえることが大切です。まずは水に入る前に手足の動きをおさらいしておくと、コツをつかみやすくなります。また、泳法問わずストリームラインを意識することで、水の抵抗を抑えられたり、疲れづらくなったりするので併せて意識しましょう。

また、自力でフォームの改善が難しい場合は、プロの力を借りましょう。SUERTEではお子さんが前向きに水泳に取り組めるような声かけや行動を通し、上達をサポートします。楽しみながら水泳のコツをつかむことで、苦手な泳ぎ方も前向きに克服できるでしょう。興味を持たれた方は、ぜひ一度お問い合わせください。